2013年3月5日火曜日

「カカクヤスク」の裏に

日本では「西友」の親会社として知られる世界最大のスーパーマーケットチェーン「ウォルマート」と、海外ファストファッションブームの火付け役とも言える「H&M」。


つい先日、その製品を作っているカンボジアの縫製工場でハンガーストライキが起きました。




原因となった労働者への未払い賃金20万ドルは、ウォルマートにとってはたった6分で稼ぎだされる利益にも満たない額とのことですが、それを受取れないことで路頭に迷う人々がいます。


町山智浩氏の著書「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」(文藝春秋)によると、ウォルマートの創業者一族5人が受け取る年収は一人約18億円だというのに!



町山氏は同書の中で、悪いのはウォルマートだけではなく、そのマネをして構造的に貧困層を作りだしているすべての大企業という旨を述べられていますが、ボク個人的にはそれに加え、『とにかく安い方がいい』と考える先進国の消費者にも責任があるのではないかと思います。



東大教授の山本良一氏が、責任編集を務めた「世界を変えるお金の使い方」(ダイヤモンド社)の中で、このように書いています。


『商品を購入するという行為は、知識情報の塊としての商品を選択するという行為でもあるので「貨幣による投票」とみなすこともできます』

『製品・サービスの購入の正にその瞬間こそが、大げさに言えばあなたが世界を変える“その時”なのです』

『あなたの意志とあなたのお金が、世界を変えていく』

地球上で1秒間に何が起きているか書かれた「1秒の世界」もぜひ♪

5年ほど前からでしょうか、『中国産の食べ物は安心できない』ということで、いくら安くても中国から輸入された食品は食べないようにしているという方が急増しましたが、それはあくまでも『自分の健康を守るため』ですよね。


ぜひ『作っている人々を守るため』にも、値段の安い高いだけでその品物を買うか買わないかを決めることなく、様々な情報や意志、そして良心に基づいてお買い物をしていただければとボクは思っています。