2012年5月10日木曜日

「tibit」 by シサムコウボウ


今回は当店取り扱い商品の一つと、その背景をご案内いたします。



「カレン族」という民族について、耳にされたことがありますでしょうか?


ビルマ(ミャンマー)とタイの国境周辺の山岳地帯に暮らす民族で、森羅万象に命が宿るとするアニミズムを信仰しながら自然と共生し、その数は約400万人、内9割はビルマの領内に住んでいます。



数で優位をとるビルマ族と反目しながらも長らく平和に暮らしていましたが、イギリスの植民地支配とキリスト教化、そしてその後のビルマ独立を契機にビルマ軍事政権からの民族浄化とも言える筆舌に尽くしがたい迫害・虐殺の対象となってきました。


それに対抗して戦闘を行う組織も民族内にあるものの、女性と子供を中心とする一般の人々は迫害から逃れるために奥地から出ることができず、形式上は軍事政権が終焉した現在も多くの方が教育や医療、インフラが圧倒的に不足する環境での生活を強いられています。




そんなカレンの人々の手で作られ、現地では貴重な現金収入となる京都・シサムコウボウさんのオリジナル・フェアトレード・シルバーアクセサリーが「tibit」です。




カレンに伝統的に伝わる銀細工の技巧と、現代的センスの中にもアニミズムが息づくシサムコウボウさんのデザインが見事に融合した完全ハンドメイドのコレクション。


「命」を意味するその名の通り、まるで命を吹き込むかのように作り込まれたシルバー・ビーズと植物・水・風・太陽などのモチーフは、ひとつひとつに繊細さと温かみをたたえています。



左から「風の葉」「水紋」ネックレス、「水紋」ブレスレット



写真では伝えきれない魅力にあふれていますので、ぜひ店頭でご覧ください。価格帯は8000円前後です。




尚、映画「ランボー 最後の戦場」でカレン族に対する政府軍の非道な行為の数々が描かれており、その描写は極めて残酷ですが、実際に映画を見たカレンの方によると「現実の足元にも及ばない」そうです。